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高齢者の転倒事故

リハビリ

櫻訪問リハビリテーションの櫻本でございます。

本日は「転倒事故」についてお話していこうと思います。

実は65 歳以上高齢者の 3 人に 1 人は、1 年間に1 回以上転倒すると言われています❗️

高齢者からは切っても切れない、そんな転倒事故の予防と対策を紹介していきます。

目次

転倒事故の危険性

まずは令和4年国民生活基礎調査(厚生労働省)の調査を見ていきましょう。

高齢者の介護が必要となった主な原因は、認知症、脳血管疾患(脳卒中)に続き、「骨折・転倒」が13.9%を占め第3位です。高齢による衰弱より多くなっています❗️

また、高齢者の転倒・転落・墜落による死亡者数は10,809人で、交通事故による死亡者数の5倍以上にものぼる結果が出ています💦

転倒を起因に、介護が必要になった・寝たきりになった・骨折をして歩けなくなったなどなど…

たかが転んだだけと侮っていると大変なことになります❗️

転倒事故の原因

様々な要因はありますが、主な原因は

1.身体機能の低下(加齢による)

2.病気や薬の影響

3.運動不足

加齢に伴い身体機能が徐々に低下すると筋力・バランス能力・持久力・柔軟性が衰えてきます❗️

転んだ時、転びそうな時の何かに掴まる・手をつくような反射が行えなくなります。また、これぐらいは出来るだろう。と自分自身の「思っている動き」と「現実の動き」との間にギャップが生まれると転倒を引き起こすしやすくなります😦

また、いくつかの病気を抱えていると薬の種類も増えてきます。

薬の作用・副作用によって、立ちくらみやふらつき・眠気を引き起こす場合もあり、転倒しやすい状態になっている場合があります。薬を飲み始めてからそのような症状が出ている場合は主治医に相談して下さい💁‍♂️

年齢を重ねると動くのが億劫になり自宅で閉じこもりがちになります。日常的な身体活動が減少すると身体機能の低下を招き、転倒のリスクが高まります。日常的な散歩や体操、人との関わりは身体機能の維持が期待できます。

自宅や居室環境

ご自宅でも施設でもお部屋の環境を整えることで転倒リスクを軽減できます❗️

住みなれている自宅内、特に活動が多い「居間」は片付けられていますか?整理整頓は転倒リスクを減らします❗️

注意したい点は…

1.電気のコードや配線は足に引っかかる・つまづきの原因です

→壁に沿わせたり、絨毯の下に隠すことで転倒リスク軽減になります

2.床に新聞、雑誌、衣服を置いたままにしていませんか?

→すぐに片付けましょう!ちょっとだけと思っていると転倒の原因に繋がります

3.座布団やラグなどはなるべく使用しない事をおすすめしています

→足元が滑る、座布団でつまづく事もあります。椅子へ切り替えを検討しましょう

自宅に手すりの設置、夜間は暗いとつまづく危険が増すので、人感センサーで足元を照らすライトを利用することでも転倒予防になります🙆‍♂️

また、昔の日本家屋に住んでいる人は、玄関の上りかまちが高いので踏み台を置くとつまづき予防になります

仕事柄、施設の居室環境を整備をお願いされることがあります。その時に良かったことも紹介します💁‍♂️

1.ベッド位置の変更

→ベッドから滑落の危険がある人は壁側に寄せる。歩行ベースの方もベッドを移動して障害物をなくし導線を作ります

2.手すりの設置・導線を作る

→転倒リスクがある方が歩いてしまう場合は、ポールの設置を検討したり椅子を繋げて導線を作ります。また会議に使うようなテーブルを置いて手すり代わりにするなども効果がありました

3.車椅子の位置の検討

→トイレなどで自分で動かれる場合は、移乗しやすいように車椅子の位置を調整します。介護職からもリハスタッフに相談し動作訓練を実施して貰えるとより効果があると思います

4.センサーの導入

→言わずもがなですが、離床センサーやセンサーマットを使用することで動きをキャッチでき介助を要する方も安心して生活ができます

施設の方針やご本人様の同意を得ないと難しいこともあります。

また、新しく入居された方だと環境変化により転倒リスクが大いに上がります。「布団と思って立ち上がろうとした」「いつもより暗かった」「トイレが遠い」「扉がいつもの逆」「段差に気づかなかった」環境が変化している時ほど転倒に注意しないといけません。

日々変わる状態を観察し多職種で相談して転倒リスクを減らしていきましょう❗️

転倒予防体操

「ロコモ」「サルコペニア」でも簡単な運動は紹介しています❗️

併せて読んで頂くとより効果的に運動ができると思います✨

【足踏み体操】

椅子に座り、腕も振りながら足を交互にあげる

20回×2〜3セットやりましょう

【椅子から立ち座り体操】

椅子からゆっくりと立ち、座ります。危ないと思う人はテーブルに手をついてやってみましょう

20回×2〜3セットやりましょう

【踵上げ下げ体操】

椅子の背やテーブルに手をついて、踵を上げ下げをします

20回×2〜3セットやりましょう

【片足立ち体操】

テーブルや椅子に手をついて、片足をあげます

15秒目安×2〜3セットやりましょう

まとめ

少々駆け足気味でしたが、お部屋の整理整頓、手すりの設置の検討など、環境を整えることで転倒事故は予防できます🙆‍♂️

ですが、危険は家の中だけではありません。足腰が弱ってきたなと思った時は、外出の際は杖の使用をおすすめします

転ばぬ先の杖」です。転んで大事に至らなけれが良いですが、骨折でもした時には遅いのです。見栄を張らずに使ってみて下さい🙇‍♂️折りたためる杖もあります。是非とも検討して下さい。

また、食事も大事です。栄養の偏りで骨粗鬆症になったり筋肉が減ってしまいます💦

食事に関しては、「フレイルが進む原因と食事法」を参考にして下さい💁‍♂️

皆様、何卒足元にはお気をつけ下さい

【引用・参考文献】

1)政府広報オンライン たった一度の転倒で寝たきりになることも。転倒事故の起こりやすい箇所は?

2)理学療法ハンドブック シリーズ18 転倒予防

3)2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況