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健康寿命を延ばす鍵は「貯筋」!今日から始めるロコモティブシンドローム対策

リハビリ

櫻リハの櫻本でございます🙇‍♂️

今回は10月は、骨と関節の日(10月8日)など、運動器の健康について考えるのに良い季節なので「貯筋!今日から始めるロコモティブシンドローム対策」です❗️

健康寿命を脅かす最大の要因の一つであるロコモティブシンドローム(ロコモ)に対抗するため、いかに「貯筋」が未来への重要な投資となるかを、医学的エビデンスに基づいて解説します。

運動器の機能を維持し、自立した生活を長く続けるためには、単に病気を治すだけでなく、日々の生活習慣と戦略的な身体活動の計画が不可欠です。ロコモの現状把握から、科学的に推奨される運動・栄養戦略までを詳細にご紹介します❗️

ロコモティブシンドロームとは?

「ロコモティブシンドローム(Locomotive Syndrome)」とは、骨・関節・筋肉・神経など運動器の障害により、移動機能が低下した状態を指します。日本整形外科学会が提唱しており、要介護の大きな原因の一つです。

この機能低下の進行を防ぎ、自立した生活を長く続けるために、若いうちから、あるいは移動機能の低下が始まった段階から筋肉を維持・強化する「貯筋」という積極的な未来への投資が求められています。

ロコモが進行すると…

外出の機会が減る

転倒・骨折のリスクが増える

介助や車いすが必要になる
など、健康寿命の短縮につながります。

特に高齢者だけでなく、中年期からの「筋肉の貯金=貯筋」が将来の生活の質(QOL)を左右します。

「貯筋」が健康寿命を守る理由

筋肉は血液循環・代謝・姿勢保持など多くの働きを担い、全身の代謝機能の恒常性に直接影響を及ぼします。厚生労働省の検討では、筋力トレーニングの実施は、運動器の障害予防に留まらず、全身的な疾病リスクの低減につながる可能性が示されています 。しかし、40代以降は年に約1%ずつ筋肉量が減少するとされ、使わなければさらに減少が加速します。

◯貯筋のメリット

基礎代謝が上がり、肥満や糖尿病を予防

骨に刺激が加わり、骨粗鬆症の予防

転倒防止・姿勢改善につながる

介護予防・自立生活の延伸

つまり「貯金」だけでなく「貯筋」が、自分らしく生きるための備えになるのです。

あなたは大丈夫?ロコモの危険度をチェック!【ロコチェック】

ロコモは、いつの間にか進行していることがあります。まずは、日本整形外科学会が推奨する「ロコチェック」7項目で、あなたの移動機能の状態を確認してみましょう。

以下の項目のうち、1つでも当てはまればロコモが疑われます。

1.片脚立ちで靴下がはけない

2.家の中でつまずいたり滑ったりする

3.階段を上るのに手すりが必要である

4.横断歩道を青信号で渡りきれない

5.15分くらい続けて歩けない

6.2kg程度の買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である

7.家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である

(引用:日本整形外科学会ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト ロコモONLINE)

もし一つでも当てはまったら、今すぐ「貯筋」を始めましょう。

他にもロコモ度判定方法もあり、実践的な方法で判断することもできます。気になる方は安全に配慮した上で実施してみて下さい。

今日からできる「貯筋」運動(ロコトレ)

ロコモ予防に最も効果的なのは、脚の大きな筋肉とバランス能力を鍛えることです。日本整形外科学会が推奨する「ロコトレ」から、自宅で安全に取り組める2つの基本トレーニングをご紹介します。

① スクワット(下肢の筋力強化)

◯太ももの筋肉(大腿四頭筋)は体の中で最も大きく、貯筋の核となる筋肉です。

足を肩幅に開き、背すじを伸ばしてゆっくり腰を下ろす

膝がつま先より前に出ないよう注意

1日10回×2〜3セットが目安

※椅子の背中を掴んでもOK❗️

② 片脚立ち(バランス訓練)

◯片脚立ちでバランスを取ることで、転倒予防に必要な体幹と下肢の筋肉を同時に鍛えます。

壁や椅子につかまりながら片脚を軽く上げる

左右30秒ずつ×3回を1日2セット

③ つま先立ち(ふくらはぎの筋トレ)

◯ふくらはぎは「第二の心臓」足首の安定性や血流改善にも効果的です。

椅子の背を持ち、かかとを上げて2〜3秒キープ

10回×2〜3セット

【安全指導】

痛みがある場合はすぐに中止し、無理のない範囲で行ってください。

関節に痛みや不安がある場合は、運動を始める前に整形外科を受診しましょう。

食事と生活習慣も「貯筋」の味方

せっかく運動で筋肉を使っても、材料がなければ「貯筋」はできません。筋肉と骨を強くするための栄養素をしっかり摂りましょう。

◯必須栄養素:タンパク質、ビタミンD、カルシウム

栄養素役割豊富に含まれる食材
タンパク質筋肉の材料。毎食欠かさず摂る必要があります。肉(特に高齢者は赤身)、魚、卵、牛乳・乳製品、大豆製品(豆腐、納豆)
ビタミンD腸でのカルシウム吸収を促進し、骨を強くする。鮭などの魚、きのこ類。日光を浴びることでも皮膚でつくられます。
カルシウム骨の主要な材料。牛乳・乳製品、小魚、小松菜、大豆製品
エネルギー源筋肉を動かすためのガソリン。これが不足すると筋肉のタンパク質が分解されてしまいます。米、パン、麺類などの炭水化物

(引用:ロコモONLINE 食生活でロコモ対策)

【リハビリ職からの食事アドバイス】

特に高齢になると、肉や卵の摂取が不足しがちです。毎食、主食・主菜(タンパク質)・副菜(ビタミン・ミネラル)を揃えることを意識し、バランス良く摂ることが「貯筋」への近道です。

◯生活面の工夫

エレベーターより階段を使う

家事・庭仕事も立派な運動

睡眠・栄養・水分補給のバランスを整える

まとめ:今日から始めるロコモ予防で、未来の健康を「貯筋」しよう

ロコモティブシンドローム対策は、人生100年時代を健康に生き抜くための最も重要な「投資」です。

筋肉は40歳代から減少が始まります。「まだ大丈夫」ではなく、「今から始める」という意識が大切です。

ロコモ予防の3本柱

運動(貯筋): ロコトレ(片脚立ち、スクワット、つま先立ち)を毎日継続する。

栄養: タンパク質、ビタミンD、カルシウムを中心としたバランスの良い食事を心がける。

早期発見: 定期的にロコチェックを行い、不安があれば専門医に相談する。

皆さんが活き活きとした生活を送れるようサポートしていきます。「今日の1回のスクワット」が、未来の自立生活を支える一歩になります
ぜひ、ご家庭や施設でも「貯筋」習慣を身につけ、健康寿命を延ばしましょう!


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櫻訪問リハビリテーションでは、高齢者施設にご入居の皆さまや施設職員の方々へ、個別リハビリテーションの提供を通じて、施設サービスの質の向上をお手伝いしています。

日々の運動習慣の定着、体力の低下を感じる方にも丁寧に対応させて頂きます。

マッサージやストレッチのみのご利用も可能ですので、お気軽にご相談ください。

詳しいご説明やご相談は、どうぞお気軽にお問い合わせください🙇‍♂️


【引用・参考文献】
1)ロコモONLINE(日本整形外科学会公式 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト)

2)ロコモティブシンドロームの予防(健康長寿ネット)

3)ロコチェック(日本臨床整形外科学会)