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褥瘡予防と体位変換

リハビリ

櫻訪問リハビリテーションの櫻本でございます。

X(旧Twitter)でも何度か褥瘡について投稿しました。

本日はもう少し詳しく褥瘡予防についてお話しして行こうと思います❗️

目次

褥瘡とは?

褥瘡とは、同じ姿勢で長期間寝ている、寝たきりなどによって体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤味をおび、ただれたり、傷ができてしまうこと。

一般的に「床ずれ」と言われています。

床に同じ姿勢で10分程度寝っ転がってみると痛くなる場所があるかと思います🤔

その痛くなった場所が褥瘡になりやすい場所だと理解しやすいと思います。

◯褥瘡の好発部位

骨が突出している所に体圧が一点に集中する為、褥瘡になりやすいです。

左図を見ると一目瞭然ですが

仰臥位で最も多いのは仙骨部、次に後頭部、踵骨部です。

側臥位では腸骨稜部、大転子部、外果部など、坐位では尾骨部、坐骨部などに多く発生します。

褥瘡になる要因

褥瘡の発生につながる様々な要因があります。

褥瘡の要因になる代表例を抜粋しようと思います❗️

低栄養:低アルブミン血症による浮腫や皮膚弾力性の低下

やせ:低栄養が進むと皮下脂肪および筋肉組織が減少し、骨突出につながりやすい

加齢・基礎疾患:加齢に伴う日常活動性などの低下、基礎疾患としての骨粗鬆症、糖尿病など

摩擦・ずれ:体位変換時などに摩擦やずれが生じる

失禁・湿潤:尿・便失禁、発汗などによる皮膚の湿潤や汚染のため皮膚傷害が起こりやすい

他にも要因はありますが、介護施設などでは上記の要因が多いかと思います🤔

エアマットレスの使用上の注意

近年のエアマットレスは圧切り替え型機能(スモールチェンジ)が搭載されており、とても便利で高性能なエアマットレスがあります❗️

ですが、エアマットレスは体圧分散性に優れていますが使用する際に少し注意をしないと体圧分散効果が損なわれてしまいます❗️

【エアマットレスを使用する際に「敷きパッド」や「防水シーツ」を一緒に使用してはいませんか?】

エアマットレスの上にシーツ以外の物を敷いていると、想定している除圧効果が期待できなくなる事があります💦

なるべくシーツのみで対応し、その他の寝具の使用を控える事で体圧分散性を損なわず使用できます🙆‍♂️

体圧分散ケア〜30度側臥位〜

耳にした事がある体位かと思います。この体位は何が良いのでしょうか?

褥瘡好発部位の仙骨部・大転子部の発生を予防する体位30度側臥位となります。

骨突出がなく、広い面積のお尻の筋肉で体重を受ける事ができます。

30度側臥位を実施する時はクッションを使用し、できるだけ広い接触面積で姿勢を保持できるようにしましょう。

予防的な体位ですが、注意したいのは…

※やせの人は逆に腸骨部・仙骨部への当たりが強調されてしまい、逆に褥瘡のリスクが上がります❗️

お尻の筋肉や皮下脂肪の多さには個人差がある為、よく確認が必要になります。注意して見て下さい💁‍♂️

体位変換の時間

このお話しについては議論の余地があると思いますが、ガイドラインから抜粋させて頂きます🙇‍♂️

◯日本皮膚科学会の褥瘡のガイドライン2023

褥瘡の予防とケアに体圧分散マットレスを使用し,定期的に体位変換をすることが重要である

「圧切替型体圧分散マットレスを用いても一定時間毎の体位変換は行うべきである」

要約すれば、エアマットレスに圧切り替え機能(スモールチェンジ)がついていても、体位交換が必要という事になります。

また、「体位変換の時間については,身体状況が許せば 2時間以内の体位変換が推奨されている」との記載もあります。

どのマットレスが良いか?などは結論は出ておらず、自立度や病態,環境や社会生活も考慮に入れた上で体圧分散マットレスを選択することが重要となります。

まとめ

褥瘡の予防とケアはとても大変な事です。一人一人、身体状況は違うので個別のケアが大切になってきます。

褥瘡の好発部位が頭に入っていれば、注意を払う事ができ体位変換時の体位選択に活かす事ができます。

少しでも参考になり、明日から活用ができればと思います🙇‍♂️

参考

1) maruho ホームページ.褥瘡辞典for MEDICAL PROFESSIONAL,<https://www.maruho.co.jp/medical/jokusoujiten_fm/>

2)日本皮膚科学会ガイドライン

創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン(2023)―2
褥瘡診療ガイドライン(第 3 版)

<https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/zyokusou2023.pdf>