攻める栄養パワーライスについて
リハビリ2026-02-11
櫻リハの櫻本でございます。
今回は「パワーライス」についてです❗️
高齢者や脳卒中患者の多くが「食べているのに痩せていく」というパラドックスに陥っています。 その主因は、嚥下調整食への形態変更に伴うエネルギー密度の希釈にあります。 リハビリテーション栄養の核心である「パワーライス」を軸に、生理学的根拠から具体的な多職種介入までを徹底解説します。
現場で起きている「見えない飢餓」の正体

「お粥を茶碗一杯食べているから大丈夫」——この言葉が、実はリハビリ現場で最も危険なサインであることが少なくありません。 高齢者や脳卒中後の片麻痺患者さんにおいて、咀嚼・嚥下機能が低下すると、食形態は「常食」から「粥」「キザミ食」「ペースト食」へと移行します。
◯【衝撃の事実】お粥の栄養密度は常食の半分以下?
全粥(5倍粥)の水分含有量は約80%以上です。見た目のボリュームはあっても、実際に摂取できているエネルギーは白米の約3分の1から半分程度にまで減少しています。 結果として、患者さんは「お腹はいっぱい」なのに「体は飢餓状態」という矛盾に陥ります。
低栄養がリハビリを「毒」に変える

リハビリテーション栄養(リハ栄養)のガイドラインでは、低栄養状態での高負荷トレーニングを戒めています。 栄養が足りない状態で運動を行うと、体はエネルギーを捻出するために「自らの筋肉」を分解し始めます。これが医原性サルコペニアです。
サルコペニアの悪循環
活動量低下 → 食欲低下 → 低栄養 → 筋肉量減少 → さらに動けなくなる
リハビリへの影響
持久力低下、転倒リスク増大、傷の治りが遅くなる(褥瘡リスク)
「パワーライス」3つの科学的柱
パワーライスとは、単なる「味付けご飯」ではありません。以下の3つの医学的根拠に基づいて構築される「治療食」の一種です。
◯MCTオイル(中鎖脂肪酸)によるエネルギー補完

MCTオイルは一般的な油に比べ、吸収スピードが約4倍と速く、すぐにエネルギーとして利用されます。 無味無臭のため、ご飯に混ぜても味を損なわず、一口のエネルギー密度を劇的に向上させます。
◯ロイシン高配合のタンパク源

筋肉の合成スイッチを入れるアミノ酸「ロイシン」を豊富に含む卵や大豆、乳清タンパクを混ぜ込みます。 リハビリ直後にこれらを摂取することで、筋肥大の効率を最大化します。
◯テクスチャーコントロール(嚥下・咀嚼)

油分を加えることでご飯の粒子がコーティングされ、食塊形成(口の中でまとまること)がスムーズになります。 これは誤嚥防止において極めて重要な役割を果たします。
腎臓・肝臓機能低下には注意
パワーライスの要である「脂質付加」と「タンパク強化」は、肝臓と腎臓という代謝の関門に負荷をかけます。合併症を持つ患者様に対しては、医師の判断を仰ぎ導入に踏み切ってください。
臨床でのモニタリング指標
パワーライスを導入した後は、必ず「効果判定」が必要です。私たちは以下の指標を重視します。
| 評価項目 | 改善の目安 |
|---|---|
| 体重(BW) | 1ヶ月で0.5kg~1kgの安定的な維持・増加 |
| 握力(HGS) | 筋肉の「質」の改善。男性28kg、女性18kg未満がサルコペニア疑い |
| 下腿周囲長 | ふくらはぎの一番太い部分が31cm以下(女性)は要注意 |
まとめ:リハビリテーションは細胞の燃料から始まる
どんなに優れた治療手技も、代謝という土台が崩れていては成果は上がりません。 パワーライスという選択は、単なる食事の工夫ではなく、科学的な「リハビリテーション介入」そのものです。 一膳のお粥から始めてみましょう。
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