立ち上がり動作について
リハビリ2024-10-02
櫻訪問リハビリテーションの櫻本でございます。
今回は日常生活では欠かせない、「立ち上がり」 についてお話し用と思います🙇♂️
ご高齢になると足腰が弱くなりなかなか立ち上がれないという事は多いかと思います。
なんで立てないのかな?手すりを使うと立てる、そんな何故と介助する側のポイントもお話しできればと思います😁
立ち上がり動作分析
立ち上がり動作には、4相と3相と相分け(フェイズ)されています。
「立ち上がり」について理解する為に、少し細かく4相で見ていきましょう❗️
第1相:動作開始から臀部離床完了までの相(頭部、体幹の前方移動)
第2相:臀部離床完了から足関節最大背屈角度までの相
第3相:足関節最大背屈角度から股関節伸展終了までの相
第4相:股関節角度速度がゼロとなって全ての動きが完了する相
画像横の説明文は【第1相→第2相】の移行している事を説明しています🤔
なので動いている様に見ると説明文と合致してきます。
少し専門的な文言が多いので、簡単に説明すると…
第1相:頭と身体が前に倒れる
第2相:お尻が椅子から離れる
第3相:足首が曲がる
第4相:立ち上がり完了
ざっくりですがこんな感じですね😁
どこの段階で動作が出来ていないのかな?と相を分けて見るとわかると思います。
例えば…立ち上がりをしようとしている時にお尻が持ち上がらない❗️
となると、頭や身体が前方に倒れていないのかな?倒し方が悪いのかな?などなど見る所はたくさんありますね🙆♂️
不良姿勢の立ち上がり
過去にXでも不良姿勢についてお話ししていましたが
円背姿勢の人の立ち上がりを例にして少し説明していきます💁♂️
左が【正常な姿勢】 右が【不良姿勢】
比べてみると、頭部が前方へ・円背・骨盤後傾になっている事がわかりますね
こういった不良姿勢の方の立ち上がり動作では…
体幹を前傾する時に骨盤の後傾を前傾に持ってこれない
骨盤後傾したまま、背中を丸める(上部胸椎の屈曲)
代償動作として、頭頸部を過剰に前方へ移動させる
こうなると一所懸命体幹を前傾しても、いっこうにお尻が持ち上がりません❗️
上記の様な動作では、股関節が運動に参加していないので上肢などによる支えがないと立ち上がり動作はうまく行えない場合が多いです。
介助ポイント
介助者は、仙骨・尾骨部から身体重心を前上方へ少し持ち上げてあげると立ち上がりがスムーズに行えます
下部体幹筋を鍛えよう!
下部体幹筋の機能が低下していると骨盤後傾となっている場合が多いです
体幹の前傾の後は、体幹から下肢へと運動を伝達しなくてはならないので、体幹と下肢を結ぶ結ぶ下部体幹筋群の機能が不可欠となっているのです❗️
【骨盤前傾促通トレーニング】
体幹前傾(骨盤前傾)が難しい人
お尻の下に柔らかいクッションを置くor枕やタオルをお尻の後方に置くと前傾しやすくなります。骨盤の前傾と後傾を交互に繰り返しましょう
【体幹前傾筋収縮トレーニング】
①椅子に座り、両手を組むorストレッチポールを立てて持つ
②骨盤を前傾しながら、お辞儀をする
※背中は丸めない
簡単な運動ですが立ち上がり動作に直結するので、うまく出来ない人はぜひやってみて下さい✨
まとめ
「立ち上がり」は生活の基本動作です。
立ち上がった後は移乗・歩行が待っています。リハビリのプログラムでも「立ち上がり」を用いて筋力や心肺機能を高めて機能回復を目指します。
ADLが向上すれば、QOLの質の向上へも繋がっていきます✨
介助者もなんで立てないの❗️と思わず、なんでうまく立てないのかな?と少し立ち止まって考えてみて下さい。きっと既に気付いていた事が繋がってくるかもしれません😁