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スキンフレイルと予防ケア

リハビリ

櫻訪問リハビリテーションの櫻本でございます。

高齢者の皮膚をよーく見たことはありますか?シワがよっていたり、カサカサしていたり、気づかないうちにアザが出来ていた😦なんて事はありませんか?

そんな高齢者によくある「スキンフレイル」について少しお話ししていこうと思います。

目次

スキンフレイルとは?

聞き馴染みがないかもしれませんが、【スキンフレイル→皮膚の脆弱化】の事を指します。

加齢や光老化、疾患などによって高齢者の皮膚は様々な変化をしていきます。皮膚が乾燥し白っぽい粉(ドライスキン)や薄皮が目立ち、ガサガサした感じになります。また真皮と呼ばれる肌の弾力性を保つ組織も減少しすると肌がたるみ、シワが増えてしまいます。

重度になるとティッシュペーパーの様にペラペラした状態になり、裂けやすい状態になります❗️知らない間に紫色のアザ(内出血)が出来ていた❗️なんて事も経験した見た事があると思います🤔

【菲薄化(ひはくか)】

角質層が薄くなり、弾力性を保つ真皮層が減少している状態

弾力性の低下に関与しています。

加齢による皮膚の変化は誰にでも起こります。より進行した状態を【スキンフレイル】と呼んでいます。

体位変換・移乗・排泄介助などを行う時に皮膚への摩擦やずれの影響を受けやすくなり、腕や脚に内出血やスキン-テア(皮膚裂傷)という傷ができやすくなります。
スキン-テアは、摩擦やずれによって皮膚表面が裂けて、めくれてしまう傷です。絆創膏をはがす時、サイドレールに手足をぶつけたり、車いすのフットレストに擦れたなど様々な原因があります💦

外力保護ケア

ベッドや車椅子のカバー保護や手足にアームカバー・レッグウォーマーを装着する。また、転倒時のダメージコントロール及び衝撃を和らげるカバーを検討しましょう

セルフチェックで皮膚を見よう!

10項目で簡単にセルフチェックが出来ます😁

ご自身の手足をよーく見て確認してみて下さい🤔

項目1~4の4個は「はり低下」の項目です。1つ以上当てはまる場合には、肌の弾力性の低下が疑われます。
項目5~10の6個は、「乾燥」の項目です。3つ以上当てはまる場合には、乾燥肌の進行が疑われます。

はり低下0〜4点

◻︎肌をつまむと容易に伸びる

◻︎肌をつまんで離しても戻らない

◻︎肌がティッシュペーパーのように薄くカサカサしている

◻︎痛みやかゆみのない紫色の痣が繰り返しできる

乾燥0〜6点

◻︎肌の表面が白い粉を吹いている

◻︎肌の表面に小さい「フケ」の様な薄皮がある

◻︎肌は硬くないが触れるとチクチクしている

◻︎肌が硬くなでるとガサガサしている

◻︎一部が赤くなっており押すと消える

◻︎細かな網目のようなシワがある

食事と外力保護ケアで予防

スキンフレイルとは?で最後にサラッと話した「外力保護ケア」をもう一度お話します。

前述した通り少しの摩擦やずれ、当たりでアザやスキン-テアになってしまいます💦

そこで、外力がかかる所を保護しましょう❗️というのが「外力保護ケア」です。よくあるのが、サイドレールや車椅子のフットレストやアームレストを保護します。

アームカバーやレッグウォーマーなども効果的です。夏場でも長袖を着たり、ゆったりとした服で腕を通しやすい衣服や靴下もゴムがキツくないものを選んだりします。もちろんケアやリハビリの際も注意しなければいけません💁‍♂️

そして、身体を作る資本である「栄養」がやっぱり大事になってきます。

栄養面ではまず、全身的な健康状態の維持のためにエネルギーとたんぱく質を十分に摂りましょう❗️

【→フレイルが進む原因と食事法 食事法とたんぱく質についてお話ししています】

日本人の高齢者では1日に約60gのたんぱく質の摂取が推奨されています。また、食が細くなっている方はエネルギー効率の良い油(マヨネーズやごま油といった調味料)を料理に使用することも有効です。

低栄養では、筋肉も皮膚も弱くなってきてしまう。という事ですね💦

まとめ

いかがでしたでしょうか?少し駆け足な部分はありましたが、「スキンフレイル」についてお話ししました。

日々の皮膚状態のアセスメントや既にスキンフレイルになっている方への外力保護ケア、栄養面での介入は意識的にやっていく事が重要です。

スキンケアも必要で、これから冬場は乾燥が進むので入浴後や就寝介助時など出来れば全身に塗布していきたいですね🙆‍♂️

【引用・参考文献】

1)(淑徳大学看護栄養学部栄養学科 飯坂研究室)

2)株式会社ニュートリー テア(皮膚裂傷)/ドライスキン

3)日本創傷・オストミー・失禁管理学会編:ベストプラクティス スキン-テア(皮膚裂傷)の予防と管理.照林社