姿勢と身体のお話
リハビリ2024-05-15
櫻訪問リハビリテーションの櫻本でございます。
最近、Xで「姿勢」の話をしていました。
高齢者、片麻痺の方、働き盛りの方と幅広い世代にわたって姿勢不良が多く、様々な不調をきたします!
首・肩こりに始まり、肩関節の可動域制限や高齢者の多くは円背、亀背になり、片麻痺患者の方は歩行の際に大変苦労しながら歩く事になり、必要な筋肉が適切に働かなくなります。
リハビリの中でも使うストレッチや運動方法、どうしてそんな姿勢になるのかな?といった事をお話ししていければと思っています!
目次
不良姿勢の種類
代表的な不良姿勢の例
上の画像を見た事がある人もいらっしゃると思います。
赤丸が重心位置・縦の赤い線が重心線(重心が通る道)赤の横線が骨盤の傾斜(前傾・後傾)です
私はこの姿勢だ!以前、治療してもらった時に言われた!などあると思います。
あくまで「姿勢のみ」のお話です。筋肉に付いて少しお話ししていきましょう!
体幹筋と筋力低下
体幹筋は体幹を後屈させる(身体を後ろに反らす)背部伸展筋、側屈させる(身体を横に倒す)側屈筋、前屈させる(身体を前に倒す)前部腹筋で構成されています。
作用としては、主として体幹の安定で、中でも背部伸展筋が最も重要になります!
円背・亀背の不良姿勢の人は背部伸展筋の筋力低下があります!
ちょっと小話
背部伸展筋の筋力低下があっても、腰部筋の筋力低下は殆ど認められません。
腰部筋の筋力低下は腰痛と関連付けられますが、多くの場合は腹筋群の筋力低下が原因です。
巻き肩姿勢
背部伸展筋(脊柱起立筋)の筋力低下により生じる
両方の前方突出、いわゆる「巻き肩」姿勢では、上背部の脊柱起立筋(背部伸展筋)の筋力低下が生じます。肩から起こるか、姿勢から起こるかは難しい所ですが、高頻度で起こる組み合わせと言えるでしょう。
僧帽筋
広範囲にわたって付着している為、姿勢に関与している
両肩を後方に保持している僧帽筋と言われる筋肉です。背中の補強に働き、僧帽筋への筋力強化のアプローチは極めて重要と言えます!
背中が丸くなり、肩が前に出ている姿勢が続くと肋骨を圧迫し呼吸が浅くなったりする事もあり、高齢者や片麻痺の方々では嚥下に関わり、誤嚥リスクが高まるとも言えます。
デスクワークの方々の多くも似た姿勢になっています。頭痛や首・肩こりも不良姿勢が関連してきます。
ストレッチと運動
〜大胸筋ストレッチ〜
①大胸筋上部
壁対して横向きに立ち、胸の下に肘を壁につけます。壁につけた反対側の足を一歩出し、胸を前に突き出す様に身体を少し捻ります。
②大胸筋中部
今度は胸と同じ高さor肩の高さに肘を壁に付けます。①と同じように胸の前を伸ばします。
③大胸筋下部
胸より肘が高く壁に付けます。①と同じ様に胸の前を伸ばします。
呼吸は止めずにゆっくりと呼吸しながら行いましょう!左右20秒×2〜3回を目安にやりましょう!
〜マッケンジー法〜
①うつ伏せになります。
②画像のように肘・手を地面につけて上体を起こします。
③②の姿勢のまま、20秒キープ。またうつ伏せまたは楽な姿勢に戻ります。
※出来る人は肘をつけた状態で始め、肘を伸ばした姿勢も効果があります!
ゆっくりとした動作で行い、息を吐きながら上体を反らせ、息を吸いながらうつ伏せに戻ります。5回〜10回程度行いましょう!
腰部に痛みや不快感がある場合は身体を反らす角度を緩めてあげましょう。無理なく繰り返し行う事で効果が期待できます!
〜四つん這い運動(キャット&ドッグ)〜
①肩の真下に手・股関節の真下に膝が来るように四つん這いになります。
②息を吸いながら、腰を反らし、頭を上げ前を向きます。
※お尻の穴を持ち上げる意識で行うとわかりやすいです
①上の運動の後に、息を吐きながら頭を下げておへそを見る様に背中を丸めます。
※腰を丸めるまたはお尻の穴を下げる意識で行うとやりやすいです
この運動は色々な筋肉や関節が動き、初めのうちは上手くいかないかもしれませんが回数を重ねると段々と動きがわかってきます!
10〜20回繰り返し行いましょう!
〜タオル上げ下げ体操〜
①フェイスタオルの両端を持ち、たわみがない様に頭の上に持ち上げます
②頭の後ろを通る様に肘を曲げて下ろしていきます。脇を締め肩甲骨同士を寄せる様に意識しましょう
※腕が上がらない、痛みがある場合は角度を緩くして行いましょう
同じ運動ができない場合はタオルを膝から顔の方向へ持ち上げる運動でも効果があります!
この運動では、前述した「僧帽筋」へのアプローチにもなっているので大事な運動です!
20回×2〜3回行いましょう!
まとめ
駆け足気味でしたが、「姿勢と身体のお話」でした。
ただ姿勢が悪いよ、骨盤が歪んでるから、年齢のせい、病気の後遺症のせい
それだけだと何もできないように聞こえますがそんな事はないと思います。もちろん、改善が難しい人達もいらっしゃいます。ですが、何もしないのもまた違う話だと思っています。
少しでもいい方向に近づきたいと思う気持ちややる気はとても大事です!
何よりも「継続する」これこそが身体を変えていく秘訣かもしれません。
櫻訪問リハビリテーションでは、自費訪問リハビリを実施しています。
慢性的な痛み、不良姿勢、片麻痺の方へリハビリ、高齢者の方のADL &QOLの維持向上を目的としています!
1人では大変な事は、みんなで頑張ってみませんか?