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腰椎圧迫骨折の体位管理とリハビリテーション

リハビリ

櫻リハの櫻本でございます。

今回は「腰椎圧迫骨折」についてです❗️高齢者に特に多くみられる骨粗鬆症関連の疾患です。

転倒・尻もち・車椅子から滑落、転落と骨折を受傷した際に、痛みや安静時は長期の臥床を求められ利用者・患者様のQOL(生活の質)に大きな影響を及ぼします。

皆さんの施設や病院では臥床時の体位管理はどうしているでしょうか?

適切な臥床時の体位管理とリハビリテーションは、回復過程で非常に重要な役割を果たします❗️腰椎圧迫骨折の特徴とともに、正しい体位、リハビリテーションの注意点、そして特に強化すべき筋肉群について解説していこうと思います🙇‍♂️

目次

腰椎圧迫骨折の概要

腰椎圧迫骨折は、骨粗鬆症や外傷などが原因で、椎体が圧迫されることで発生します。

原因と要因:骨粗鬆症、転倒事故、骨の腫瘍や先天性疾患など

症状:激しい腰部の痛み、姿勢の変化、痺れや膀胱直腸障害など

合併症:膀胱直腸障害、感覚異常、転倒リスクの増加など

臥床時の体位管理と注意点

骨折直後の急性期は、1〜3週間が安静と言われています。正しい臥床時体位の維持は回復を促進し、さらなる損傷を防ぐために重要です🙆‍♂️

仰臥位と工夫

⚪︎仰臥位のリスク❗️
単純な仰臥位では、骨折部に不必要な伸展力(引き離される力)が加わる可能性があるため、推奨していません。骨癒合を阻害するだけでなく、偽関節を形成するリスクがあります。

⚪︎椎体の中立位の維持
仰臥位を採用する場合は、下肢全体や膝下にクッションを挟むなど膝を軽く曲げ、腰椎部(椎体)が中立位に近い状態を保つことが推奨されます。これにより、骨折部が伸展力を軽減し、骨癒合を促進できます。

⚪︎臥床の推奨姿勢

仰臥位❌ 頭部ギャッチ20〜30°仰臥位🔺 側臥位⭕️

側臥位では、椎体へ伸展力が加わりにくいため仰臥位より推奨される姿勢です。また、痛みの様子で側臥位が難しい方もいらっしゃいます。仰臥位にはクッションを使用し骨折部に伸展力を軽減する事が重要になります💁‍♂️

段階的なリハビリテーション

腰椎圧迫骨折の治療において多くのガイドラインでは、急性期の安静とその後の段階的な活動再開が推奨され、近年の研究では、リハビリプログラムが機能回復を促進し、再骨折リスクを低減する効果が報告されています✨

リハビリテーションのステージ

急性期(初期1〜2週間)

目的:痛みの管理と骨折部への過度な負荷(伸展力)を回避

内容:安静を基本とし、必要に応じて体位管理(クッションなどによる中立位維持)

   呼吸運動や足のポンプ運動で血行促進

   痛みが許す範囲での軽いアイソメトリック運動

早期リハビリテーション期(2~4週間)

目的:座位・立位への移行と基礎筋力の回復

⚪︎座位移行  ベッド端に座る練習を開始し、背部・足部の支持を確保

⚪︎体幹安定運動 体幹伸展筋群・腹筋群の強化

⚪︎補助付き歩行訓練 歩行補助具を使用して、下肢の筋力・バランスの強化

リハビリテーションプログラムの留意点

痛みや骨折の重症度に応じ、無理な運動は避け安全にリハビリを行なって下さい🙇‍♂️

禁忌事項と避けるべき動作

腰椎圧迫骨折の治療中は、骨折部に不要なストレスを与える動作は禁忌となります。

急激な体位変換や無理な起き上がり
急激な動作は、骨折部への急激な負荷を引き起こします。

腰部の過度な伸展(ハイパーエクステンション)
骨折部に引き離される力がかかるため、過度な背中の反りは避ける必要があります。

過度の回旋・ねじり、急激な前屈動作
骨折部に不均一な力がかかり、治癒を阻害する恐れがあります。

重い物の持ち上げ動作
早期の過度な負荷は、再骨折のリスクを高めるため絶対に避けてください

不良姿勢と筋力強化が必要な筋肉

左図のようないわゆる猫背姿勢

背中が丸まり、骨盤が後ろへ下がると膝が曲がり、顔が前に出てきます

そうすると重心が前方へ移動すると、軽微な外力(転倒や尻もち)でも圧迫骨折しやすくなります❗️

なので、よく見かける高齢者の姿勢は骨粗鬆症も相まって受傷しやすくなってしまいます❗️

強化対象の筋群

体幹の安定性を支える筋群

体幹伸展筋群(脊柱起立筋)
背筋を伸ばす筋肉。姿勢維持が前方重心を防ぎ、再受傷に重要です。

腹筋群(腹直筋、腹横筋、腹斜筋)
体幹の安定性を高め、腰部への負担を軽減します。

下肢の主要筋群

大腿四頭筋、臀筋群
歩行や立位の安定性をサポートし、下肢の筋力強化が重要です。

腸腰筋について

腸腰筋は屈曲股関節に関与し、体幹の安定にも役立ちますが、初期リハビリテーション段階では直接の強化対象とはなりません

理由
過度に活動すると骨盤前傾、結果として腰椎前弯が強調され、骨折部に不必要な負荷がかかる可能性があるためです。

導入段階
痛みなど安定性が確認された段階で、専門家の指導のもとで腸腰筋を含む筋力強化プログラムへ移行します。

まとめ

腰椎圧迫骨折は、高齢者における重要な健康課題のひとつです。適切な臥床体位管理とエビデンスに基づくリハビリテーションは、痛みの軽減、機能回復、そして再発防止に大きく貢献します✨

臥床時の体位管理
仰臥位を採用する際は、膝下クッションなどを用いて適切な位置を維持し、骨折部への負担を軽減します。推奨される姿勢は、側臥位⭕️

リハビリテーション
急性期(1~2週間)の安静後、初期リハビリテーション期(2~4週間)において、座位移行、体幹安定運動、補助付き歩行訓練などを段階的に実施します。

禁忌事項と筋力強化
勢いのある動作や長時間な伸展、回旋動作は禁止。体幹伸展筋群(脊柱起立筋群)は初期から念入りに強化。


お問い合わせ・ご相談はこちらから
腰椎圧迫骨折の治療やリハビリテーションについて、詳しいご説明やご相談をご希望の方は、櫻訪問リハビリサービスまでご連絡ください。ご要望に丁寧に対応いたします🙇‍♂️

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【引用・参考文献】

1)日本整形外科学会ガイドライン
「圧迫骨折の診断と治療に関するガイドライン」

2)米国整形外科医学会 (AAOS)
「骨粗鬆症性椎骨圧迫骨折の管理: 証拠に基づいた推奨事項」。
(Journal of Orthopedic Research等に掲載の文献を参考)

3)脊椎圧迫骨折のリハビリテーション
スミス、J. 他 (2020)。骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折に対するエビデンスに基づくリハビリテーションアプローチ。
(臨床リハビリテーションジャーナル、34(6)、1234-1242)