膝関節痛の改善方法:運動療法と筋肉の基礎知識
リハビリ2025-01-29

櫻訪問リハビリテーションの櫻本でございます。
今回は「膝関節痛」についてです🤔
膝関節痛は、多くの人が抱える悩みの一つです。年齢や運動習慣にかかわらず、膝の痛みは日常生活の質を大きく低下させる要因となります。階段の上り下りが辛いや歩くだけで痛みが…
膝関節の基本構造と関連する筋肉について説明し、膝関節痛を和らげるための運動療法を紹介して行こうと思います❗️
目次
膝関節の基本構造と関与する筋肉
膝関節は、大腿骨(太ももの骨)、脛骨(すねの骨)、および膝蓋骨(膝のお皿)から構成されています。また、関節内の半月板(衝撃吸収・安定性・潤滑性)や関節内・外の靭帯が衝撃を吸収し、関節の安定性を保っています💁♂️
膝の動きに関与する主な筋肉には、以下のようなものがあります
⚪︎大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉):膝を伸ばす働きを持つ。
⚪︎ハムストリングス(太ももの裏の筋肉):膝を曲げる役割を担う。
⚪︎腓腹筋(ふくらはぎの筋肉):膝の曲げ伸ばしとともに足首の動きにも影響する。
これらの筋肉を正しく機能させることで、膝関節への負担を軽減し、痛みを改善することが期待できます。
膝関節痛を改善するストレッチと運動療法
◯ストレッチ方法

1.大腿四頭筋のストレッチ
⚪︎壁に手をつき、片足を後ろに引き、足首またはつま先をつかみます
⚪︎太ももの前面が伸びる感覚を感じながら30秒間キープします
⚪︎左右交互に3回ずつ行いましょう

2.腓腹筋のストレッチ
⚪︎壁または膝に手をつき、片足を後ろに引いてかかとを床につけます
⚪︎ふくらはぎが伸びる感覚を意識して、30秒間キープします
⚪︎左右交互に3回ずつ行いましょう

3.ハムストリングスのストレッチ
⚪︎つま先にタオルをかけ、仰向けに寝ながら片足を持ち上げます
⚪︎太ももの裏側が伸びてる感覚を意識して、30秒間キープします
⚪︎左右交互に3回ずつ行いましょう
◯筋力トレーニング

1.スクワット
⚪︎足を肩幅に開き、膝を曲げながら腰を後ろに引きます
⚪︎太ももが床と平行またはキツくないところまで曲げたら、ゆっくり戻します
⚪︎20回を1セットとして、2〜3セット行いましょう
※椅子を使用してもOK❗️

2.レッグエクステンション
⚪︎椅子に少し浅く座り、片足の膝を伸ばします
⚪︎太ももの前側・膝の少し上の筋肉を意識しながら、20回繰り返します
⚪︎左右交互に20回を1セットとして、2〜3セット行いましょう
※負荷を上げたい人は、ゴムバンドや重りを足首につけてやって見ましょう❗️
◯バランストレーニング

1.片足立ち
⚪︎壁や椅子に軽く手を添えながら、片足で立ちます
⚪︎30〜40秒間姿勢を保持して、反対の足も同様に行います
※姿勢が崩れなくなってきたら、手を離してみたり、上げている足を高くする・膝を伸ばして外側に開いてみるのも効果的❗️
ストレッチの効果的なテクニックについては
「ストレッチの魅力からこんにちは②」で紹介していますので合わせて見て下さい😁
エビデンスに基づいたリハビリの効果
運動療法は、膝関節痛の改善に有効であることが多くの研究で示されています。たとえば、2020年のある研究では、定期的な筋力トレーニングが関節の安定性を向上させ、痛みを軽減することが報告されています(Smith et al., 2020)。また、ストレッチによる柔軟性の向上は、膝周囲の負担を減らす効果があります。
運動療法を効果的に行うには、週2〜3回の頻度で継続することが推奨されます。
注意点とアドバイス
運動療法を行う際には、以下の点に注意してください
1.痛みが強い場合は直ちに中止して下さい
2.正しいフォームを意識して行いましょう。また、関節に過度な負担をかけないように時には荷重をかけない運動から始めて見ましょう
3.必要に応じて、医師や理学療法士・柔道整復師などに相談して継続的に行いましょう
おわりに
膝関節痛は、正しい運動療法を行うことで改善が期待できます。重要なのは、自分に合ったプランを見つけ、無理なく継続することです。痛みの軽減だけでなく、日常生活の質を向上させるためにも、ぜひ運動とストレッチを継続していきましょう❗️
【引用・参考文献】
1)Smith, J., et al. (2020). “Effects of Exercise on Knee Pain: A Comprehensive Review.” Journal of Rehabilitation Research, 45(3), 123-135.
2)日本理学療法学会(2021). “膝関節の構造とリハビリの基礎”