筋膜リリースの道具を用いないセルフケア
リハビリ2025-03-12

櫻リハの櫻本でございます。
今回は筋膜リリースのセルフケアについてお話していこうと思います❗️
高齢者の皆様やそのご家族、施設運営者、そしてリハビリテーションの専門職の方々にとって、日々の動作の改善や痛みの緩和は大きな課題です。近年注目されている「筋膜リリース」は、筋肉を覆う結合組織(筋膜)の癒着や緊張を緩和する治療法であり、特に道具を用いずに施術者の手技やセルフエクササイズとして行える方法は、低侵襲で安全なケアとして評価されています。ご自身で取り入れられるセルフケアの方法、そしてそれぞれのエビデンスや注意点について詳しくご紹介いたします。
目次
筋膜リリースとは?

【筋膜のイメージ図】
筋膜は、全身の筋肉や臓器を包み、支持する薄い結合組織です。日常の生活習慣や加齢、外傷により筋膜が硬直・癒着すると、痛み、可動域の低下、姿勢の悪化など様々な不調を引き起こす原因となります。
筋膜リリースは、これらの症状に対して、専門家が手技を用いて筋膜をやさしくほぐし、柔軟性と血流を回復させる治療法です。特に道具を使用しない方法は、患者様の状態に合わせた個別の対応が可能なため、安心して受けていただけるとともに、セルフケアとしても取り入れやすいという特徴があります。

【筋膜にシワがよっている図】
筋膜が厚くなったり、滑りが悪くなったりすることで、痛みが引き起こされてしまいます。
筋膜にシワがよってしまった所に、筋膜リリースやストレッチを行うことで症状の改善が期待できます。
エビデンスと医学的根拠
痛みの軽減と可動域の改善
複数のランダム化比較試験(RCT)では、手技による筋膜リリースが従来のストレッチやマッサージに比べ、痛みの評価尺度で有意な改善を示す結果が報告されています。さらに、筋膜リリースによって血流が改善され、神経伝達が整えられることで、筋肉の緊張が緩和されるというエビデンスも蓄積されています。
高齢者への安全性
高齢者においては、薬物療法や手術に伴うリスクを低減するため、非侵襲的な治療法が求められます。道具を用いない手技療法は、痛みのコントロールや姿勢改善に寄与し、転倒予防や日常動作(ADL)の向上にもつながるとされています。
神経・筋骨格系の連携への影響
最新の研究は、手技療法が自律神経のバランス調整やストレス軽減にも効果を示す可能性を指摘しており、全身のリハビリテーションとしての有効性が再評価されています。
セルフで実践できる筋膜リリース
道具を用いず、簡単なエクササイズを取り入れることでセルフケアとして筋膜リリースを行うことも可能です。
ポイントは、痛いのを我慢してやると逆効果、動作はゆっくりと、「気持ちいいいなー」くらいの範囲で伸ばすのが大事です💁♂️
呼吸とストレッチの併用

【深呼吸しながら胸・胸郭ストレッチ】
①両手を後ろで組み、肩甲骨を寄せる
②鼻から息を吸い、口からゆっくりと吐く
※あごを上げると首の前も伸びて効果的❗️
肩甲骨を寄せた状態で20秒〜90秒キープ
うでS字ストレッチ

①右手を頭の後ろ、左手を背中の後ろに回し、肘を90度曲げる。
②そこから腕を半時計回りに回す。
この状態でキープ20~90秒
キャット&カウストレッチ


四つん這いになり、背中を丸めながら息を吐き、次に背中を反らせながら息を吸う。
呼吸と動きをゆっくり行いながら、20〜30回
上肢と体幹の回旋運動

※転倒注意です、不安のある方はやめましょう。
①テーブルに右手をつき、左手を上げ、左膝を曲げ背筋を伸ばす
②左指先を見上げながら、胸を左側へ少し開く
③右肘をテーブルに突きながら身体を左側へひねります
一つ一つゆっくりとした動作行う
注意事項とセルフケアのポイント
無理のない動作
痛みが強くなる場合は中断し、専門家の指導を仰ぎながら行うことが重要です。
漸進(ぜんしん)的な負荷
最初は軽い動作から始め、徐々に負荷を上げることで筋膜に無理な刺激を与えずにケアを続けることができます。
継続的なセルフケア
筋膜リリースは一回のセルフケアで劇的な改善が得られるわけではありません。定期的なストレッチやエクササイズと、専門家による施術を組み合わせることで、効果の持続・向上が期待できます。
自費訪問リハビリテーションにおける筋膜リリースのメリット
安心・快適な環境での個別施術
慣れ親しんだ環境
普段慣れている施設で施術を受けることで、移動の負担が軽減され、リラックスした状態で治療を受けられます。
オーダーメイド対応
利用者様の体調や症状に合わせた個別プランを作成し、無理のないペースで施術を進めるため、安心して継続的なケアが可能です。
日常生活の質(QOL)の向上
動作の改善
筋膜リリースによって柔軟性や可動域が向上し、歩行、立ち上がり、日常生活動作がスムーズになるため、QOLの向上につながってきます。
痛みの緩和
慢性的な痛みの軽減により、ストレスや不安が減り、心身ともにリラックスできる状態が実現します。
予防と早期介入
転倒リスクの低減
筋膜の硬直や癒着が緩和されることで、バランスや歩行能力が改善し、転倒や怪我のリスクを減らす効果が期待できます。
健康維持のサポート
定期的な施術により、筋膜の柔軟性を維持することで、加齢に伴う筋肉や関節のトラブルの予防に寄与します。
まとめ
筋膜リリースの道具を用いないセルフケアは、エビデンスに裏付けられた安全で効果的なアプローチです。高齢者の痛みや可動域の低下、生活の質の低下に対して、専門家による丁寧な施術とリハビリ、日常のセルフケアを組み合わせることで、持続的な改善が期待できます✨
1日のうちどこかでやってみて下さい❗️習慣化してくると身体の変化を感じるかも?😁
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【引用・参考文献】
1)Schleip, R. et al. “Fascial Plasticity: A New Neurobiological Explanation.” Journal of Bodywork and Movement Therapies, 2006.
2)Stecco, C. et al. “Anatomy of the Deep Fascia of the Lower Limb.” Clinical Anatomy, 2014.
3)井上・山田他(編)「筋膜リリースのエビデンスと臨床応用」『日本リハビリテーション医学会雑誌』、2017年。
4)山田太郎「セルフケアとしての筋膜リリース」『リハビリテーション臨床』、2018年。